DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

今年の技術士二次試験の機械部門にでていました。
デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)について調べました。ニュースでみるとなんでもDX感があります。ここでは機械設計分野で考えました。

1.DXってなんだっけ?

1.1 定義を整理する

書籍や雑誌を読んでいくと、以下の内容でした。

デジタイゼーション(Degitization)
情報のデジタル化、紙に記録されている情報をデジタル化し、コンピュータによる処理とネットワークによる交換を可能にする

デジタライゼーション(Degitalization)
業務のデジタル化、特定、あるいは、一連の業務でデータ利用し、コンピュータで遂行可能とする。

デジタルトランスフォーメーション(Degitization)
組織全体にわたる業務のデジタライゼーション

引用:DX(デジタルトランスフォーメーション)とはなにか-DXの現状と展望、情報処理技術の課題と機会-「情報処理Vol.61 NO.11 Nov.2020」

DXは突然変異するのではなく、段階を踏んで進めていくという説明で、この説明が一番理解しやすいと考えます。また、DXは、経営層と情報システム部門との連携が必要になってくると考えます。

1.2 DXの事例

身近な例だと、itunesMusic,Primemusicなどの音楽配信サービスを例に考察しました。
1.1の定義で読み解いてくと、改めて定義にのっとった発展をしています。

(1)デジタイゼーション
iturnsによる音楽配信
音楽は、ライブ、コンサートなどの生演奏、30年以上前はカセットテープで再生、CDによるデジタル信号化、さらにmp3等の音声圧縮技術によるデータ化

音楽CD:650MB/74分 1分あたり8.7MB 
MP3形式:約CDの1/10 1分あたり0.87MB
5分程度の音楽だと、4.39MB

(2)デジタライゼーション
iturnsによる音楽配信(曲を1曲買う)
スマートフォンなどの通信機器の回線速度向上(4G,LTE)、電子データの複製防止技術、mp3等の音声圧縮技術、デジタル化推進配信サービスの構築の要素の活用があってできたものと考えます。特に、普及のきっかけは、音声圧縮技術、通信機器の回線速度向上(4G,LTE)が重要だったと考えます。
通信速度が5Mbpsの場合、実用的なサービスとして成立します。
5分間の音楽4.39MB/(5Mbps/8)=7.02秒
なお、8で割っているは1bype=8bitだからです。やや粗いですが1/10で見て多くとオーダーミスは防げます。

(3)デジタルトランスフォーメーション
apple musicによる音楽のサブスプリクション(定額サービス)
実店舗だと、多種多様な音楽CDを店頭におかないし、在庫の確保が困難です。
既に(2)のを実施したことにより、在庫の確保のデメリットが事実上なくなり、ロングテール理論とサーバに集約したサブスプリクションシステムで収益を考えているものと思います。

1.3 DXをなんでするの?

企業の場合、他社との商品競争力を挙げて利益を勝つために尽きると思います。
社会の変化を考えた場合でもDXはこれから必要と考えます。

  • 人口構造変化に対する対応
    現在約1.3億人(内労働者人口0.77億人)から2050年約1億人(内労働者人口0.53億人)に減少します。これによる影響は、若年労働者・建設・工事などの危険作業、介護・医療・製造などの重労働による人手不足が考えられます。これらによる対策は、ロボットによる代替やデジタル化で補うことが必須です。
  • 物理的な制約からの解放
    距離の場合、対面による会議からオンライン会議(zoom、Googlemeet MicrosoftTeamsなど)
    体積(重量)の場合、書籍から電子書籍

2.製造業でのDXとは

2.1 製品生産の場合

従来は、製品の自動生産ラインにセンサーなどが付いていましたが異常検知を主としているものでした。ロボットによる制御も進んでいたため、工場の自動化は既に進んでおり、 部分的なデジタライゼーションまで進んでいると考えます。
近年だと、IoT機器を用いて、機械の稼働状態やデータの可視化を行い、生産ラインの最適化を図っています。
IoT機器により設備の稼働状態が見えることから、中間製品を ADV(自動搬送機)を用いて工程間を移動させることで、 生産の完全無人化が達成できます。(スマートファクトリーが該当します)
工場人員の人減らしという指摘もあると思いますが、今後労働人口の高齢化は避けられないことから単純作業や力のいる危険作業は極力減らしていくことは必須だと考えます。

2.2 製品設計の場合

多くの製造業は、製品設計にあたり各種技術計算を用いており、インターネット上で公開されている計算ツールや社内でExcelや技術計算をコンピュータを用いて行っていますので、デジタイゼーションやデジタライゼーションの間にいると考えています。
例:インターネット上で公開されている計算ツール


製品設計をすると、現在評価試験を実施する事例が多いと推察します。計算ツール評価項目を減らせると考えます。言うのは簡単ですが、実践はとても難しく、デジタルツインを達成することが当面の目標になってくると考えます。

2.3 DXの例

(1)マツダのモデルベース開発

製品開発は、一般的に仕様、試作設計、試験、量産設計の段階を踏んで進めます。
モデルベース開発は、コンピュータ上で、システム(車)の動きを数式で表したモデルを用いることで、システム内の部品(エンジン、トランスミッション等)の挙動や動きをシミュレーションして事前に問題点を抽出し、コンピュータ上で検証をすることで試作回数を減らし、究極的には試作なしで進める手法です。
達成の前提は、精度の高いデジタルツインが必要となります。
1.1の定義で考えると、 試作品を作らずにコンピュータ内で完結することから、製品開発業務全体のデジタラゼーションに該当することからDXと考えました。

(2)エプソンのスマートチャージ(サブスプリクションサービス)
オフィスにある複合機を定額で支払うことで、従来必要だった複合機、インク、紙を購入することなく、オフィスの資料を印刷できるサービスです。

エプソンのスマートチャージ :https://www.epson.jp/products/bizprinter/smartcharge/

製造業と音楽配信サービスと一つ違うのが、扱う品物が製品(現物)があるため、物理的な制約が発生します。
(音楽配信サービスでもサービスの運営に必要なデータセンタやソフトウェアの維持管理費用は発生します)
サービスの価格は、製品の設計、生産、保守、廃棄までのライフサイクルコストを元に決定します。(複合機 の場合、 インクや紙は保守に該当します)そのため、メーカーは、PLM(プロダクトライフサイクルマネジメント)、SCM(サプライチェーンマネジメント)の活用による 製品のライフサイクルコストの高い精度計算が求められます。

3.まとめ


今、考えていることを書いていきました。まだ後日リライトしようと考えています。
業務のDXを進める前にどの段階まで進めたら、最適なのかを改めて考えられるとよい と考えます。
今後、機械技術者に必要とされるのは、私自身への戒めもありますが、以下の点が求められると考えます。
(1)工学に関する基礎的な勉強
 製品設計の場合、製品開発がデジタラゼーションからデジタルトランスフォーメーションに進化した場合、コンピュータによる自動計算が進みますが、計算結果が妥当か否かを判断するのに工学全般の基礎知識の理解が必要になります。ブログでCAEの計算結果に対して手計算による比較を入れているのはこの理由です。Openformなどの流体解析に興味ありますが、不得意な分野なためCAEに遊ばれそうなので避けています。
(2)電子制御やソフトウェアに関する知識
 機械を制御するには電子部品やソフトによる制御が必要ですのでそれに付随する知識が必要となります。
 機械設計者は、自動生産をするためにシーケンス制御や工場などの生産システムなど流れを経験があるため、なじみやすいと考えます。

4.参考資料

本記事を作成するに当たり読んだ資料一覧です。
夏休みにサイトを読んでいましたが、良質のサイトを繰り返し読むのがよいと考えました。

1)巣ごもりDXステップ講座情報ナビ(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/sugomori/
2)株式会社ビジネス・ブレークスルー
BBT大学大学院 デジタル時代の経営原理 01 おもしろい!
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/sugomori/
から辿れます。経営の視点から取り上げています。
3)DX(デジタルトランスフォーメーション)とはなにか-DXの現状と展望、情報処理技術の課題と機会-
「情報処理Vol.61 NO.11 Nov.2020」技術書典から購入可能です。
4)産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dx.html