論文事例:令和2年度電気電子部門(選択科目:電気設備)II-2

論文作成例として昨年添削しました例を紹介します。
本論文は、令和2年度に受験されましたO様の復元論文でありご了承いただき公開をしています。改めてこの場を持ちましてお礼申し上げます。
電気電子部門のため、機械部門とは専門技術は違うものの、作成にあたる工夫点・留意点は機械部門も同様のため、視野を広げるにも有効だと思います。論文の作成に悩んだときはお読みいただければと思います。

1.問題と 論文作成者様の論文

1.1 問題本文

黄マーカー:論文を書く上での押さえる点

Ⅱ―2-2 災害拠点建築物となる病院の地震、台風等、広範囲に亘災害に対し、早期に事業を再開又は継続するための電気設備の計画を実施することになった。
この業務を担当責任者として進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。
(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫する点を含めて述べよ。
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

引用元:公益法人日本技術士会 (https://www.engineer.or.jp/c_topics/007/attached/attach_7385_6.pdf

1.2  論文作成者様の回答

* 24文字で改行をしています。

1.調査、検討すべき事項
1.1 電気設備の被害状況把握:電気設備の被害状況を
把握する。使用できる電気設備と使用できない電気設
備を切り分ける。使用できない電気設備でも復旧重要
度が高い製品を分けて
、修理等をして、早急に復旧を
行う。
1.2 電気設備の復旧優先度:電気設備の復旧優先度を決
定する。復旧優先度の高い製品から電気の復旧を行っ
ていく。

1.3 電気設備の冗長化:病院は、停電することは許され
ない。電気回路の冗長化を行う際に、受けることが可
能となる

2.業務を進める手順、留意点、工夫する点
2.1業務を進める手順:手順は、客先状況→調査→立案
→設計である。
2.2留意点
1)避難者への配慮:病院は、被害拠点になるので、電
気の復旧工事を行う場合には、避難者への配慮を実施
する。
2)人命の大切さ:病院の機器が停止してしまうと、患
者の命にかかわる。そのため、電気を絶やさないよう
な設計を行う。
2.3工夫する点
1)電力会社の契約:2箇所の電力会社との契約を行う。
地震等が発生した時、地震等の被害がなく、電気の供
給を行う事ができる。
2)太陽光発電の導入:太陽光発電を導入することにより、
自家発電を行う事ができる。停電時は、系統を切り離し、
病院内で使用することができる。
3.業務を効率的、効果的に進めるための調整方策
3.1業務を効率的に進めるための関係者との調整方策
 業務を効率的に進めるために、仕事の定格化を実施す
る。仕事を定格化しているので、効率的に仕事を実施す
ることができる。人材育成を実施する。仕事のノウハウ
を若い人たちに伝えていくことで、分かる人がいなくて
も仕事を進めることができる

3.2業務を効果的に進めるための関係者との調整方策
 業務を効果的に進めるためには、お客様に仕事を確認
しながら進める。これにより、違ったことをした場合で
も修正が可能となる。
IT機器を使用することでメールや
ZOOMなどで仕事仲間とコミュニケーションを図ること
でミスが減少していく。

―以上―

2.しょちょーの添削内容

全体、よかった点、気になる点という視点で添削を行いました。
視点としては、黄マーカーを付けた点が論文を書く上での押さえる点と考えました。
2.1~2.3が私の添削内容です。
緑マーカー:キーワード
赤マーカー:問題あり
青マーカー:適切な記載

2.1 全体

この設問の回答は、病院が災害に対して復旧させる電気設備計画を作成することです。(壊れた電気設備を復旧させるようには見えますが..)
基本方針は、自家発電、別ルートからの電源供給をしてリスク分散をおこなっているので、電源の冗長化を述べているので対処法はよいと思っています。
また、調査事項もBCPの項目が入っているのでOKと思います 。

2.3の工夫する点はこのようにするのもありだと考えます。
代替電源を複数確保することにより停電確率を減少させることであり、以下の2点があげられる。
1)電力会社との契約
 …
2)太陽光発電の導入
… 

2.2 よかった点

「1.調査、検討すべき事項」と「2.業務を進める手順の留意すべき点、工夫する点」は、おおむね妥当と思いました。

2.3 気になる点

2.2 2)の人命の大切さは、例えば、停電により即人命にかかわる場合の事例をいれるとよいと思います。
例:人工呼吸器、新型コロナウィルスの重症患者向けに使われる人工心肺(エクモ)

3.の業務を効率的、効果的による進めるための調整方策
業務の標準化(論文上は定型化)がありますが、具体例があるとよいと思います。
IT機器を使用したコミュニケーションは、遠隔指示による工事の必要性を示したうえで指示例があるとよいです。
例:高電圧の電気設備は、感電死する可能性がある。特に配線工事の際、電源のブレーカーと接続先が遠隔地にある場合、2人一組で作業を行う場合は、IT機器による遠隔指示があることでより安全性が高まる。

別案として、BCPを少し入れると以下の記述をおこないます。
3.1 BCP計画に基づいた復旧訓練実施
 病院への電気設備提案時にBCP計画に基づいた復旧訓練実施を依頼する。代表的な災害である地震、台風、火災、洪水による電源喪失時の復旧訓練を定期的に実施し、病院内での人事異動による担当者の変更や訓練結果により実態の合わない点をBCP計画に反映をさせる。
3.2 復旧工事時の安全対策
  復旧作業時の安全確保である。高電圧の電気設備は感電死する可能性があり、特に重大災害時にいたるところで配線が切断しており感電のリスクがある。
  経験年数の浅い作業員が普及作業を行う場合は、経験豊富な作業員をつける。また、IT機器の活用によるリアルタイムでの把握に努める。