勉強計画を立てる(後編)

私が受験当時勉強した内容を紹介しました。
「じゃあどうやって計画立てるんだ?」という疑問をお持ちになる方はいるかもしれません。そこで、重要な点を3点挙げて対策を紹介します。

1.選択科目II-2、III(過去問)の勉強

勉強当時は深く考えなかったのですが、いまだったらどうするかという視点で考えました。

1.1 勉強時間を予測する

論文を作成する時間が、どのくらいかかるかを予測します。
選択科目II-2、IIIについて、A,Bに該当する問題を各1問ずつ選びます。
A)過去問で自分が回答できそうな問題を1問選び、論文を書く。
B)過去問で自分が回答できない問題を1問選び、資料を調べながら論文を書く。
AとBにおおよそかかった時間と過去5年分の問題の中で、Aの問題数、Bの問題数を数えて、選択科目II-2、IIIごとに予想勉強時間を計算します。

予想勉強時間 = 選択科目II-2の予想勉強時間 + 選択科目IIIの予想勉強時間
各科目の予想勉強時間 = Aにかかった時間 x Aの問題数
           +Bにかかった時間 x Bの問題数
           +α(余裕代)
* αはいれてもいれなくても個人の考えで判断してよいと考えます。

1.2 どうやって勉強を進めていくか?

OODAという考え方を取り入れてみます。

OODA
Obeserve(見る)、Orient(わかる)、Deside(きめる)、Act(うごく)
PDCA
Plan(計画)、Do(動く)、Check(確認)、Action(動く) 

目標を達成するには一般にPDCAを回せと言われますが、わからないことを計画するのはとても難しいです。
ここで勉強が止まってしまう方は、OODAを取り入れて計画を立てると、計画と実行の差が縮まり合格する可能性があがります。(もちろんPDCAで計画を立てて進められる人はそれでも可能と考えます)

進め方は、1回目のOODAループで試験時間を予測して、2回目、3回目のOODAループを重ねていき、自分の足りないところを見つけながら改善が進めていきます。
なお、「自分の足りないところ」は、設問に対して答えられる論文をかける(提案をする)ことに対してです。そのため、論文の内容は技術士の方に見てもらうことをお勧めします。

Act(1回目):過去問で自分ができそうな問題と自分ができそうもない問題を1問ずつ解く。
Observe(1回目):作業時間や論文の出来栄えを自分で見る。(または技術士の方に見てもらう)
Orient(1回目):過去問を全部解く時間がざっくりわかる。論文を解くのに知識不足がわかったら、キーワード作成が必要なのがわかる。
Deside(1回目):過去問を全部解く。または先にキーワード作成をしてから過去問を解くかを決める。
Act(2回目):Desideで決めた内容で論文作成を進める。
Observe(2回目):少し時間がたったら進捗を見ていく。
Orient(2回目):最初の予想とあっているかどうかがわかる。
Deside(2回目):最初の予想との差異に対する対策を決める。
Act(3回目):…
といったサイクルを繰り返すと少しずつ勉強が進むと考えます。
1回目のOODAループ、2回目のOODAループを行った結果、論文を作成するための基礎知識が不足している場合は、一旦中断してキーワード作成をおこなうという進め方もあると思います。

2.キーワード作成

 インターネットで検索をすると、キーワード学習、キーワード作成と書いてあります。
 キーワードについて調べたことを選択科目II-1形式で600字に手書きで要約します。このメリットは3つあります。

・論文が書けずに勉強が挫折するのを防ぐ。
・不足している専門知識の整理ができる。
・試験形式で文章を書くことで、選択科目II-1の対策になる。
・手書きで書くので本番形式のトレーニングになる。 

CNF(セルロースナノファイバー)を調べていたので、受験時に書いた例を挙げます。
「CNFの概要と製品の応用事例を述べよ」という問いがあったとして回答案を考えています。

CNFの概要及び製品の応用事例
1.CNFの概要
 木材などの植物繊維を機械的・科学的な処理を行い、
取り出したものである。大きさは直径数~数十mm、
長さは1000nm~1mm程度である。
特徴:①比強度が大きい。②比面積が大きい。③熱
による寸法変化が小さい。④ガスバリア性が高い。⑤
チキソ性がある。⑥環境負荷が小さいバイオマス素材。
2.製品の応用事例
2.1 熱可塑性プラスチックの強化繊維:CNFは
比重1.61[g/cm3]、引張強度3[GPa]であり、軽くて強い。
そのため、ガラス繊維の代わる素材として注目されて
いる。近年の事例では、PPに対して10wt%CNFを
配合した材料を開発されている。
2.2 消臭剤・フィルター:CNFは、比表面積が
250(m3/g)と大きい。そのため、表面に吸着させる性
能が高い。エアコンフィルターとしてごみを吸着さ
せたり、大人用おむつの消臭剤として製品化をされて
いる。
2.3 ボールペンの増粘剤:CNFはチキソ性(水
溶液が静止時にゲル状、力が加わるとゾル状になる)
を有している。したがって、水溶性ボールペン用のイ
ンクの増粘剤の素材として製品化されている。 以上
–24文字 x 23行、453文字—–

 キーワードに関する用語をリストアップして、数行単位で説明文を作成します。上記の要約では以下の太字の内容を抽出しました。

用語:
CNF/CNF強化樹脂/NCVプロジェクト/チキソ性/TEMP6酸化CNF/CNFの欠点/アスペクト比/用途

3.受験申込書の作成

受験申込書は、申込期間は例年4月の2週間程度です。
注意点が2つあります。
(1)面接のときに業務経歴書の内容を聞かれる。
 業務経歴や業務内容の詳細を技術士の方に内容を見てもらうことをお勧めします。業務経歴は、自分が業務で実施した内容を書きましょう。
業務内容は、5W2Hでどういう成果を出したかを示せるようにしましょう。
(2)役職者のサインと社印をもらう。
 受験申込書には、会社勤めの場合、職務経歴を証明するために社印と役職者のサインが必要です。(詳細は、日本技術士会のHPをご確認ください)
事前に、社印の入手方法やサインをいただく方を確認しましょう。

 令和3年度の受験から社印は不要になりました。(当サイトの記事で説明しています)

特に、社内に技術士がいない場合、技術士が全国で約10万人と少ないことから、知らない方も多いため、事前に相談をしましょう。
 緑字: 2021.4.10改訂

4.まとめ

技術士二次試験勉強を進めていくときに、つまづきそうな点を解説しました。当時を振り返って今だったらどうするかということも付け加えました。

実は、私は文章を書くのが苦手でした。技術士試験の勉強時に、キーワード作成で600文字の原稿用紙に200枚以上書いたので、要点をまとめる力が受験前より上手になったと考えています。

業務経験7年以上あれば、基礎知識は十分にあると思いますので、プロジェクトマネジメントの考え方を取り入れつつ勉強を進めれば合格は十分可能だと考えます。

最後になりますが、一人でも多くの方が合格されることを願っております。

5.参考にした資料

1)OODAはこちらのページを参考にしました。
 ホームページを見ていくと、OODAループとは、原書もあり英語のため、いずれ読みたいと思っています。

アイ&カンパニー – すべては日本再興のために

2)予測が難しい問題に関してどうするか?ということで、この本も読みました。

本名:仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法
著:内田和成
出版: 東洋経済新報社

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