SalomeMeca2021 for windowsの導入

SalomeMecaは、もともとフランスのeDF社で開発された解析ソフトで、Linux版で作られています。SalomeMeca2021 for windowsはWindows上で動くように再構成をしています。Twitter上で動作報告があったので、インストールをしました。
従来SalomeMecaを使う場合、Linuxパソコンを用意するか、Windows上だとVirtualBoxなど仮想環境上につくったUbubtuなどのLinuxにインストールするしかありませんでした。
どちらも環境構築をする時間もかかることや、前者の場合、5年以上古いパソコンでも動作するもののパソコンの購入費用がかかりますし、後者の場合、仮想環境上で動作させるため画面の操作が遅くなります。
これが使えると、操作のレスポンスが早いことと最新版のsalomemecaが使えることから便利です。

SalomeMeca2021 for windowsの概要は公式ページに書いてあります(https://code-aster-windows.com/
SalomeMeca2021の説明 eDFのページより(Salome-Meca – Code_Aster (code-aster.org)

導入したパソコンは、ゲーミングノートパソコンです。スペックを参考として記載します。

  • OS:windows11 home
  • CPU:第11世代iCore7
  • メモリ:16GB
  • SSD:512GB
  • GPU:GeForceRTX3050(VRAM4GB) /CPU内蔵グラフィクス

1.SalomeMeca2021 for windowsとSalomeMeca2019との違い

SalomeMeca2021 for windowsは、SalomeMeca2019と起動画面はほぼ同じで、変化が少ないということは機能が成熟してきたものと推測しています。
SalomeMeca2019で作成した解析データは流用できるものと考えます。当サイトで作ったCAE解析データで確認を進めていこうと思います。

1)Geometry

図 geometryの操作画面

2)Mesh

図 meshの操作画面

3)Aster

図 asterの操作画面

4)Paraview

図 Paraviewの操作画面

2.インストール方法

2.1 ソフトのダウンロード

以下のページからダウンロードします。
https://code-aster-windows.com/download/

本体「Salome-Meca for Windows (prepost graphical solution+solver)」と
ソルバー「Code_Aster for Windows (solver only)」をインストールします。

インストールが止まる場合があります。
その場合は、

(1)ソルバーのインストール
ダウンロードしてから、実行ファイルをクリックします。

(2)本体のインストール
ファイルはzip形式の圧縮ファイルのため、任意のフォルダへ解答します。
Cドライブ直下にSalomeというフォルダを作りました。
例:C:\salome

(3)Microsoft Visual C++ 2015 SP1 Redistributable Package (x64)のインストール
ドキュメントによると本体を起動させるのに必要なパッケージのようです。
起動ができなかった場合はインストールしてください。
https://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=48145

INSTRATION
===========
This version was made as portable as possible. There is no dependecies, but on a fresh windows installation,

you may need to install the Microsoft Visual C++ 2015 SP1 Redistributable Package (x64) for Salome and Python

引用:Salome-Meca for Windows (prepost graphical solution+solver)のインストールデータ内の「Readme.txt」より

4)起動
本体のインストール先のフォルダ内のrun_salome.batをクリックします。

図 salomemecaの起動

(5)デスクトップからの起動
便利な方法として、デスクトップにrun_salome.batを配置してダブルクリックして起動させることが可能です。
やり方は
(i)run_salome.batをデスクトップにコピーします。
(ii)run_salome.batをメモ帳などのテキストディッタで開き編集します。
ファイル内のSET_out_dir_Pathを本体「Salome-Meca for Windows (prepost graphical solution+solver)」があるフォルダに指定します。
Cドライブ直下にSalomeというフォルダに作った場合、C:\Salomeです。

図 run_salome.batの編集

3.SalomeMecaが動かない?

普段自宅はゲーミングノートパソコンを使っているので、HDMIにて外部出力したモニターとノートパソコン本体のディスプレイの2画面にて使っています。
この状態で起動をさせると、OpenGLがはいっているのにOpenGLないエラーが出てきました。

図 起動時のエラーメッセージ

念のため、OpenGLがインストールされているか、OpenGL Extensions Viewerを用いて確認しました。

パターン1:画面を2画面表示の場合とノートパソコン本体のディスプレイの画面のみにした場合
下図の画面を見ると、OpenGLver4.6はいっています。Interl(R)UHD GraphicsはCPU内臓グラフフィクスです。

図 OpenGLチェック結果(画面を2画面表示の場合とノートパソコン本体のディスプレイの画面のみ)

パターン2:画面を外部接続モニタのみにした場合
下図の画面を見ると、OpenGLver4.6はいっています。NVIDIA GeforceRTXなのでGPUが設定されています。

図 OpenGLチェック結果(画面を外部接続モニタのみにした場合)

おかしい。OpenGL入ってるし、なんでだろう?まさかと思い、画面をノートパソコン本体のディスプレイとHDMIにて外部出力したモニターのみにすると動きました。

ノートパソコンをお使いの方で、起動後エラーが出て動かなくなる場合は確認いたただければよいと思います。

4.まとめ

SalomeMeca2021 for windowsの操作レスポンスがVirtualBox上で動かしていたSalomeMeca2019に対して数段よいのでストレスになくスムーズに使えました。
今後、SalomeMeca2021 for windowsにこちらに切り替える予定です。