CAELinuxをVirtulBoxを使ってインストール(記事はこちら)しました。
今回は市販の中古ノートパソコンにインストールしました。
実は、このノートパソコンに去年にUbuntu18.04とSalomeMeca2019をインストールしたことがあり、操作した感覚がwindowsで使うよりスムーズだったので、サンプル解析データを用いて、解析時間も比較しています。
1.インストールしたノートパソコン
家のノートパソコンが壊れた修理中に秋葉原の中古PC屋で購入したwindows10パソコンを使っています。

機種名:dynabook R734/K
OS: Windows10Pro
CPU:Intel Core i5-4200M
メモリ:8GB
SSD:128GB
画面サイズ/解像度:13.3インチ、1366×768
DVDドライブ等:なし
HDMI出力端子:x1
ネットワーク:LAN/Wireless LAN/bluetooth
* FreeCADやSalomeMecaを使う場合は、解像度1920x1080(フルHD)サイズのモニターが必須です。
2.インストール
2.1 インストール用のストレージ
家に残っていたSSD128GBをwindows10と交換をしました。この機種は、ストレージの交換が簡単なため、CAELinux2020用とwindows10用の2種類のストレージをつくり、普段はCAELinux2020用、普段使いのパソコンが故障したらwindows10用をストレージに入れ替て、サブパソコンとして使えるメリットがあります。


2.2 インストールメディアの準備
1)公式ページから、CAELinux2020Liteのisoファイルをダウンロードしましょう。
2)インストールするUSBメモリを作成します。
isoファイルをUSBメモリに書き込みます。
ソフトは、UNetbootin、Universal USB Installerなどを使用します。
2.3 メディアを使ってインストール
1)USBメモリを指して、LiveDVDを起動させます。
2)”Install CAELinux2020 18.04″をクリックさせて、インストール開始です(画面は起動時の画面)

3)インストール上の設定は 以前書いた記事を参照に設定します。
3.計算速度の比較
VirtualBox上でCAElinuxを動かすのと、直接CAELinuxを動くのでは後者が速いのは予想できますが、実際に
SalomeMeca2019でサンプル解析データを用いて計算時間を比較しました。
3.1 サンプル解析データ
両もちはりの中心に荷重がかかったときのたわみを計算をしています。
六面体2次要素や接触解析を使っているので計算時間が長いです。
私が作成した過去の解析データを使っています。解析の概要を以下に示します。
ブログから抜粋
URL:https://aytechlab.com/homefem/sm2020st004/
1.解析内容
下図に示す両もちはりの中心に荷重がかかったときのたわみを計算します。
・荷重:100N
・はりの寸法:幅20mm、高さ10mm、長さ:160mm
・材料:200000N/mm2、ポアソン比0.3

2.解析モデル

<拘束条件>
下図に示します。
なお、今回は、今後板ばねのような大変形解析をやりたいため、はり本体と支点を接触する設定にしています。

・荷重:-2.5N(Z方向)
FORCE_ALETEは、単位長さあたりの荷重を示します。
今回は、-50N(荷重)/20mm(はりの幅)=-2.5N/mm
・非線形解析による接触解析
はりとはりを支える支点に接触が発生します。
・出力:Z方向変位
<要素>
6面体2次要素(自動メッシュ)
3.2 計算時間の比較
結果を下表に示します。
計算時間は、体感どおり直接CAELinux2020Liteをインストールしたほうが短かったです。
Windows10+VirtulBoxの場合、直接xUbuntuを起動させない分、パソコンの性能を生かしきれないようです。
システム | 計算時間(秒) | 性能(CPU/グラフィックカード/メモリ) |
Windows10+VirtulBox+CAElinux2020 | 1874.42 | Core i5-8250U/インテル® UHD グラフィックス 620/16GB(VirtualBox上に3GB) |
直接Linux2020Liteをノートパソコンにインストール | 1103.99 | Core i5-4200M/インテル®HD グラフィックス 4600/8GB |
4.まとめ
中古パソコンを活用したCAEの勉強環境構築事例を紹介しました。
2021年2月現在だと、インストールしたノートパソコンは、2~3万円で中古パソコンショップで売られており、安価で導入もしやすいです。
中古パソコンの活用は、資源の有効活用の観点から、3R(リユース、リデュース、リサイクル)でいうところのリユース、SGDs(持続可能な開発目標)の12「 持続可能な生産消費形態を確保する」内の「12.5 2030年までに、予防、削減、リサイクル、および再利用(リユース)により廃棄物の排出量を大幅に削減する」に該当すると考えます。
反面、古いパソコンを使うということは、エネルギー効率は最新のパソコンに対して低い傾向にあるため、
SGDs(持続可能な開発目標)の7「 すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」内の「7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。」
には反しますが、週末に数時間で2年程度程度使うのであれば、エネルギー効率が低いデメリットを抑えられると考えます。
ご興味がありましたら挑戦していただけばと考えます。